そば厚みゲージで、厚さムラ防ぐ
ノシは、外形を整えることよりも各プロセスにおいて均一な厚みになっていることを確かめながら、最後の本ノシで1.5mmの厚さに仕上げる。そのとき、専用のゲージがあれば実に心強い
築地そばアカデミーで使っている厚みゲージはここから入手できます
■丸やひし形や四角をキレイにきめなくても大丈夫!
もちろん、ノシ板の上に広がっていく麺帯の形がキレイで悪いことはない。でも、その形を追求することによって、初中級者のノシの上達がスピードダウンしている。これは、長年そば打ちを指導していて感じるポイントだ。
ノシにおいて、絶対的に整えなくてはならないのが麺帯の厚みを徹底的に整えることである。それをないがしろにして、いくら外形を丸やひし形や四角に整えても、麺線が整うわけがない。
ノシた結果が、北海道や、オーストラリアや、アメリカ合衆国の地図のように、非幾何学的な図形となっていてもいいんです!ちゃあんと厚みが整ってさえいれば。
玉を手でつぶしていく「手のし」では、10mmと5mmのゲージを重ねて15mmをめざす。手で簡単に10mm以下になってしまうような玉は、ズル玉である。外形の形よりも、平らに仕上げることが大切。
麺棒を使う粗のし〜平のしは、30度ずつ生地を回転させていきながら、8mmをめざす(5mmゲージと3mmゲージを重ねる)。外形を整えるのではなく、平らになるように仕上げる。
丸出しは、正確に5mmの厚さをめざし、できるだけ正円に近づけてフィニッシュする。ここで仕上がった表面が、とりもなおさずこの麺の最終的な品質となるので、なめらかに仕上げたい。
角出しは、あえて厚みを乱しても効率よく外形を引き延ばすプロセスだからゲージの活躍の場はない。この画像は、角だし直後の生地を幅だししているところ。生地を広げたまま、2mmの厚さをめざす(腰を傷めないよう、この他にもいろいろとルールがある)。そのディテールについては、これから発表する記事にご期待ください。
最後の本のしで1.5mm厚に仕上げて完成だ。また、ノシの工程は打ち粉をできる限り控えて必要最小限に。打ち粉にまみれたそば打ちは、いただけない。
そばゲージは、丸出しの厚みを計測する「そば丸出し厚みゲージ3枚組」と、本のしの厚みを計測する「そば本のし厚みゲージ5枚組」で構成される。のした大きさを計測する「そばメジャーメントフィルム」もついて、美麗な透明ケースに入った「そばゲージ3種セット・専用ケース付」があれば、すべてのプロセスをきっちりと計測できる。
そば打ちに興味をもった方、あるいはそば店を開業する計画の方は
築地そばアカデミーで手打ちそばの腕前を高めてください。さまざまなコースを用意しております。
道具については、11/8ごろの記事で触れる予定だが、待ちきれない方は、
川越そばの会のサイトをどうぞ。上記の小物もすべて扱っています。
■そば打ちセット選びについて
インターネット通販では、格安のそば打ちセットがたくさん販売されています。購入の前に、セットされている鉢がどのような大きさか、麺棒の材質や長さ、ノシ板の大きさはどうか、よく確認してください。
5人前・500gのそばを快適に打つためには、48cmの鉢、75cmの麺棒が2本、600x800mm以上のノシ板が最低限必要です。
これらのそば道具や、この画像のようなそば道具セットは、
川越そばの会のサイトで扱っております。
水回しをするためには、男性の両手を広げまま鉢の中に入らなければ作業できないわけですし、麺棒やノシ板があまりにも小さなものでは、そばを大きくのせないため、細い麺が作れなくなります。そば道具やそば打ちセットは、専門のサイトで購入するのが安心です。
本格的にはじめるなら、直径54cmのこね鉢がお薦め。
こちらで購入できます。
■今日からビギナー そば打ちの連動ブログバックナンバー
第1回 まず材料と道具、万全に
第2回 打ち始めの10秒が決め手
第3回 タンパク質の粘りを出す
第4回 体重のせ、じんわりこねる
第5回 のし均一に、厚さムラ防ぐ
第6回 道具をそろえる楽しみも
第7回 のしは体重かけ、攻める
第8回 生地、四角く平たくのす
第9回 生地を3回畳んで8層に
第10回 幅1.3mmで正確に切る
第11回 そばつゆは、旨味のかけ算
第12回 そば前(日本酒)と薬味を楽しむ
第13回 粋なそばの手繰り方
このシリーズは、毎週木曜日の日経夕刊に掲載される記事と連動してアップしていきます、お楽しみに